レインリリーで待ってる
本当に愛すべき人
雨が上がった公園で、私はずぶ濡れのまま、濡れたベンチに座った。
「ほら、飲みや。うちのコーヒーやなくて悪いけど」
そう言って、加持くんから缶コーヒーを手渡された。
「加持くん……」
「なんや?」
「この缶コーヒー、冷たい……」
「ほうかー。なら、『頭冷やせ』っちゅうことやな」
私は、冷たい缶コーヒーを開け、飲んだ。