レインリリーで待ってる
「ねえ、どう思う? これって、公生くん、私のこと気があるのかな?」
昼休み、いつもの中庭で明日菜に聞いてみたけど、明日菜は興味がないらしく、卵焼きをおいしそうに頬張っている。
「ねえ、明日菜! 聞いてる?」
「聞いてるわよ、うっさいわねー! そうなんじゃない?」
あれ? なんか、明日菜、不機嫌……はっ!
「ま、まさか……明日菜も公生くんのこと……」
「はあ? なんでそうなんのよ」
「だって、なんか明日菜、不機嫌だし……」
「ああ、それはね……」
明日菜はポケットから紙切れを取り出し、私に見せてくれた。
「これって……数学の小テスト……って! い、1点!?」
「そうよ!」
「100点満点中の、1点ってこと!?」
「そうよ!!! うっさいわねー!」
1点なんて初めて見た。