レインリリーで待ってる





びしょびしょに濡れた服をやっとのことで脱ぎ、それを洗濯かごに放り込もうとした時、ふと、脱ぎ捨てられた公生くんの学校指定のワイシャツに目が留まった。




私の家のお風呂を使ったんだから、ここにあってもおかしくはないんだけど、どこかおかしい。




手に取ってみると、そのワイシャツはどういうわけか濡れていた。




びしょびしょに濡れていた。




お風呂上がりの水が散ったような、そんなレベルじゃなく、まるでバケツの水をかぶったような、そんな濡れ方だった。




明日は予報だと、ほぼ100%、警報が出て、学校が休校になる。それでも、公生くんは家に帰るだろうし、ワイシャツも着て帰るはずだ。




もしかして……帰らないつもりなのだろうか。




もう一泊していくつもりなんだろうか。




いやいや、そもそも帰らないにしても、ここまで濡らす意味はないし、濡れないように畳んでおくはずだ。




公生くんなら、絶対にそうする。




ということは……。





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