レインリリーで待ってる
私たちがテーブルについたタイミングで、おじさんがコーヒーを出してくれた。
「ここ、よく来るんだよ。本読むのに落ち着くから」
公生くんは、傍にあった角砂糖を5つコーヒーにポトンっと落とした。
「あの……公生くん……」
「なんだ?」
「砂糖、入れ過ぎじゃない?」
「ああ、俺、苦いのダメだからさ……」
じゃあなんでコーヒー注文したんだろ……まあでも、大人ぶって、実はおこちゃまで、ちょっとかわいいなと私は思ったが、明日菜は、厳しい表情で、きっと私の真逆のことを考えているんだろうなと思う。
「とりあえず、コーヒー飲んで落ち着いて、それから勉強始めようか」
公生くんの真似をして、私も角砂糖を5つ、ポトンっと落とした。