レインリリーで待ってる





「なあ、ほんまにこれでええんか?」




放課後の『レインリリー』で加持くんがふとそう言った。




「んー、確かにこのルートだと、野球選手になれねーからな……ただ、後々のこと考えると、安定した職業の方がいいし……」




車の駒を持ってどっちに進もうか迷っている公生くんに「ちゃうわ!」とつっこみを入れ、加持くんは人生ゲームのボードをひっくり返した。




「そうやなくて、明日菜のことや! ユイボー、お前、ほんまにそれでええんか?」




私には加持くんの言ってる意味がよく理解できた。もちろん、公生くんもだ。




「お前ら、ずっと友達やなかったんか? これで、ほんまにええんか?」




恋に遠慮はいらないって言ったのは加持くんなのに、その加持くんからそんなことを言われるなんて、思ってもみなかった。





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