レインリリーで待ってる
「友情ってそんなもんなんか? お前らの友情、そんなもんか!?」
加持くんがいつにもなく私に怒っている。
でも、
「でもさあ! 元はと言えば、加持くんが言ったんじゃん! 『友情を捨てる覚悟のある者だけが恋愛を制する』って。私は、公生くんを選んだんだよ? 友情を捨てたんだよ? だから、今があるんじゃん!」
私も本当はこのままじゃいけないってことくらいわかっている。
でも、それでも、どうすればいいかわからなくて、逆ギレしてしまった。
「ええか? 確かにそうは言ったけどなあ。目の前の友達を助けてやれん奴に、大事な人を幸せにできると思うか!?」
「大事な人も幸せにできないのに、友達なんかにかまってる暇なんてないでしょ!? 加持くんが言ったことってそういう意味もあるよね!? そうでしょ?」
「ちゃうわ! それとこれとは別やろ!」
「別じゃない!」
もちろん、加持くんの言いたいことはわかる。
きっと、私と明日菜のことを心配して、そう言ってくれてるって。
加持くんもああ言った手前、素直になれないんだろうなって。
でも、私は、そんな加持くんにひどい一言を言ってしまった。