レインリリーで待ってる

公生くんは、前髪をいじることなく、ただ私を真っすぐ見ながら言った。




「俺、正直、今のままの優衣を好きになれない。やっぱり、加持の言うことは正しいと思う」




それって、つまり、私、今、振られた？




公生くんに？




やっと手に入れた公生くんに？




でも、公生くんの言いたいことは、わかる。




きっと公生くんもこんな状態じゃ、私と付き合えないってことくらい。




二人だけの世界は、確かにどこかにあって、でも、それだけじゃない。




私たちは、今、一生に一度しか訪れない青春の真っただ中にいるわけで、恋愛も確かに大事だけど、それと同じくらい大事なもの、それは友情だ。




その友情を青春の真っただ中で失いそうになっている、いや、もしかしたら失っているのかもしれない。




それを公生くんは取り戻して来い。きっとそう言っているんだ。