レインリリーで待ってる





明日菜の家は、川沿いの住宅地にある。




何回も行ったことあるし、お泊りしてテスト勉強をしたこともある。




もしかしたら、『レインリリー』から目を閉じて歩いても、きっと明日菜の家にたどり着ける。




それくらい、明日菜の家には通ったし、それくらい、明日菜といつも一緒だった。




それくらいだから、明日菜の家へはすぐに着いた。




『KURUSU』と書かれた表札。




この表札に書かれている顔の中に、私もいる。




これは、高校2年生の時の美術の授業で、作った表札だ。





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