レインリリーで待ってる
『こぼれ話』
同じ教室の窓際の席に座っていて、
カーテンの風で、乱れた前髪をちょんちょんと触って、
そのいたずらな風に促されるように、私の方を見て微笑む男の子。
私の好きな人。
私は、こんなタイプの高校生ではありませんでした。
授業の時間割表がありますよね? 私は、それに赤と青のマーカーを使い分けて、印を入れていました。
赤は、真面目に受ける授業。
そして、青は、寝てもいい授業。
不真面目だって言われるかもしれませんが、高校生活をサッカーに捧げた私にとって、睡眠時間というのは、大変貴重だったんです。