レインリリーで待ってる
究極の選択
突然のことで、何が起こったのか、理解ができない。
いや、理解はできる。
「俺と付き合わんか?」
この言葉は、私の大好きな人、公生くんの口から発せられたものじゃなく、目の前にいる、ちょっと苦手な関西人、加持くんの口から発せられた言葉で。
「え……ええ? ちょ、ちょっと待って?」
明日菜も戸惑っている。
「あんた、優衣のこと好きなの?」
「せやで?」
悪びれもせず、堂々と言った加持くん。その態度がまた不自然というか、何というか、よくこんな恥ずかしいことを堂々と言えるもんだ。
聞いてるこっちが恥ずかしくなる。
「ユイボ……えと……優衣の方はどうなんや?」
しかも、この男は、返事までもらおうとする。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ! さっきも言ったように、優衣は、常盤くんのことが……」
明日菜が私と加持くんの間に割って入る。
しかし、加持くんは「俺は優衣に聞いとるんや!」と言って、明日菜を跳ね除けた。
「どーや?」