レインリリーで待ってる
私が知ってる、公生くんのこと……?
確かに、公生くんのことは、好き。紛れもなく、誰よりも。
でも、加持くんの告白を断った理由に、私は、『加持くんのことを何も知らないから』と答えた。
そういうことなら、公生くんのことは知ってて当然。確かに、そうなる。
けど……私が知ってる公生くんって……。
「公生の誕生日、いつや?」
わからない。
「公生の好きな食べ物は?」
わからない。
「公生が好きな作家は?」
わからない。
「公生の進路……」
「もうやめて!」