レインリリーで待ってる
「優衣が公生のこと、好きやってこと、公生が知ってもええんか?」
そ、それは……。
「加持……あんた……」
加持くんは、明日菜の腕が緩んだ隙に、私の腕を引いて、抱き寄せた。
「もし、俺と付き合うんやったら、このことは誰にも言わん。誓ってほんまや。やけど、俺と付き合えんのやったら、俺は、このことを公生に言う」
そして、私を抱き寄せたまま加持くんが私の額に額をくっつけてきた。
「どーする?」
「加持!!」
明日菜が私と加持くんを引き離し、加持くんを頬を思いっきり叩いた。
「あんた見損なったわ! そんな卑怯な奴だとは思わなかった!」
「卑怯?」
頬をさすりながら、加持くんがニヤッと笑った。
「何いい子ぶっとん? 将来、自分の手で守るかもしれん相手やで? それくらい大事なものを手に入れるんに、卑怯もクソもないやろ」
「大事なのは、二人の気持ちよ!」
「心変わりやってあるんとちゃうか?」
心変わり……。