レインリリーで待ってる
人との出会い方はそれぞれだと思う。
それが、必ずしもいい出会いとは限らない。
好きで付き合ってみたけど、やっぱり別れるってことがあるのと同じで、嫌いだったけど、いつの間にか好きになってるということもある。
加持くんは、私と無理矢理にでも付き合って、それから私を惚れさせようとしていると言ってるんだ。
「優衣、タイムリミットは、今日の放課後までや。返事は、レインリリーで聞くわ」
「れ、レインリリーって、公生くんも……」
公生くんもいる前で、返事をするってこと!?
「まあ、さすがに俺もそこまで鬼やないわ。せやから、来栖。お前が公生の足止めせえや。優衣の本当の友達やったら、それくらいするやろ?」
そう言って、加持くんは、校舎の方へ歩いて行ってしまった。
すれ違いざまに、こう呟いて。