レインリリーで待ってる
返事、レインリリーにて










カランコロンと扉を開けると、いつものように「いらっしゃい」と声をかけてくれた。




しかし、その声は、おじさんじゃなくて、加持くんの声だった。




「待っとったで。まあ、座りや」




ニコッと笑って、私をカウンターに座らせ、「コーヒーでええか?」と聞いた。




「コーヒーよりも、まず……」




「そんな焦らんでもええよ。公生はまだ来んから」




加持くんは、コーヒーを淹れ、「さ。冷めないうちに」と言い、それを私の前に置いた。




コーヒーのいい香りで、心が少し落ち着いた。





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