蓮の華
「こいつこの前言ってた友達」
いつも通り屋上に行くと明るい茶髪の人が座っていた。
「希輝って言うからよろしくね~」
煙草を吸いながら鋭い目をさらに細めて挨拶される。
「・・・どうも」
「目つき悪いけど気にしないで」
壱にそう言われて軽く頷いた。
「にしても傷だらけだべ」
そういう希輝さんにもたくさん傷はある。
あたしより痛そうな傷。
「女の子なのに」
「そろっと動かなきゃだよな」
きっとまだパパが来てることを壱は知っている。
だから見て見ぬふりは出来ないってことだと思う。