蓮の華
いつの間にか眠っていて目が覚めると、日が少し暮れていた。
「おはよ」
重い体を起こした先には壱が煙草を吸っている。
こんな時間まで一緒にいてくれたんだ。って思うとなんだか申しわけない。
「ごめん」
「なにが?」
ちょっとだけびっくりした顔をして、またいつも通りの笑顔に戻った。
「なんだろ」
言いたいことはたくさんある。
けど、言葉に出来ない。
「俺は大丈夫だよ。あの日、蓮を見てからずっと一緒に居て助けたいって思ってたし」
苦い煙がふわふわと宙を舞う。
「ありがと」