蓮の華
今は、食欲なんかよりも“女”が来るってことに怖かった。
壱の仲間だし悪い人じゃないってのは分かってる。
でも女は怖いんだ。
「よっ」
「おう」
背後から女の声がして壱が応えた。
来たんだ。
「大丈夫だから」
壱はいつも真っ直ぐを見ている。
伏せることはなくただひたすら前を・・・
「こいつが蓮?」
目が合った。
「どうも」
その女の目はそこらとは比べものにならないくらい怖かった。敵対心丸出しであたしを睨みつける。
でも、あたしも負けてられない。伏せたらそこで弱い自分に戻ってしまう。
「へぇー」
金髪のセミロングにダボダボのTシャツ。
肌は軽く焼けてて細い。