蓮の華
「今だって同じだ」
「違うな。蓮にだって言えて無かったじゃん。希輝は売りまで手つけてるんだから、蓮がいつどこで勧められるかだって分かんないだろ」
「蓮なら断れる」
「そーやって信じ込むのはいーけどさ、わかんないもんだよ?人間って」
あたしには分からない。
どうして大変な時に喧嘩をするの?
今喧嘩しないで止めればもしかしたら助かるかもなのに。
「いつまでやってるんですか?喧嘩ごっこ」
「蓮、いたのか」
びっくりした顔で壱はあたしを見た。
「いたよ。さっさと行った方がいいんじゃない?時間は止まってくれないよ」
覚せい剤は自ら動いたりしないけど、時間は動く。容赦無く時を進める。
後悔してからじゃ遅いんだ。時ってのは進むばっかりで、戻ってなんかくれないから…