蓮の華


「こんな暑い中部屋にこもって、薬なんかしてさ。何して
んだろうね、あいつ。もっと楽しいことならあったはずなのに」


希輝さんが何を思って薬を始めたのかわからない。


けど、きっとあれはあたしと出逢い始めた頃からしてたんじゃないかな?


「希輝さん言ってたんだ。あたしと出逢い初めの時に、喧嘩とか悪さとかしてもいいけど度は超えんなよって。止められなくなるからって」


あの時あたしは、喧嘩し過ぎるなってことだな。としか解釈してなかった。


「そんなこと言ったんだ。あいつ」


「だから、あたしや周りには進める気一切無かったと思いますよ」


本人もやめたかったんだと思う。


でもこの世は怖いから。


1度手につけたら2度と離せなくなるものもあるの。


< 51 / 68 >

この作品をシェア

pagetop