蓮の華
「あんたさ、まじでなめてるよね?」
“なめてる”
何回聞いたかな。
あたしはその言葉を言われたら毎度違うって言ってるのに。
「先輩ってなにが偉いの」
「は?」
「なにがそんなに惨めにしてるの」
可笑しいよ。
よくわかんないけど可笑しい。
「てめぇな!」
「甘いね」
右手に力込めてたの丸見え。
左手で手を抑え蹴りあげた。
「っう」
ご飯食べた後にみぞおちは辛いよね。
よーく分かるよ。
でもこれくらいで止めにしてあげたいけど、あたしはそんなに優しくない。
「・・・覚えとけよ」
苦し紛れの捨てゼリフを言って先輩は屋上を後にした。