お猫様が救世主だった件につきまして
まずはプロローグ~日常とトリップ



ごくり、と喉を鳴らす。

棒を握りしめる手は汗をかき、高まる緊張感で呼吸も鼓動も速くなっていく。


集中しなければ。目の前にあるそれをにらむようにジッと見つめ、ガチャンと金属の音が響いた刹那―― 軽快な音とともに、眼前の敵が動き出す。


――今だ!

「もらったあ!」


私は手にした棒を思いっきりふりかぶると、勢いのままに目標目掛けて降り下ろした――。

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