お猫様が救世主だった件につきまして
教会は石造りの頑丈そうな建物。地球にあるものとそう変わらないんだな……と礼拝堂に足を踏み入れる。
そして見つけたのが、パティさんやドムくんから聞いた木造のカラクリでできたもぐらたたきゲームの筐体。
「うわぁ……そっくり!」
思わずため息が出そうになるくらい、細かな部分まで日本にあるもぐらたたきゲームの筐体に似てた。
違いは素材と動力源くらい? 必要ないのに、コインを入れる穴までしっかり再現されてた。
「どうぞ、触ってみてください」
神父様が勧めてくれたから、せっかくだし。と筐体に触れてみる。ずいぶん硬くて頑丈そうな造りで、この教会で100年以上使われている故の傷や日焼けがある。
「……すごいや……あれ?」
モンスターが出る穴にだけ、鮮やかな色がつけられてるのに気づく。赤、オレンジ、黄、緑、青、藍、紫……。これ、大神殿のバトルでもあったっけ。
「この七色は何かの意味があるんですか?」
「教典では、世界を構成する要素と言われています。赤は太陽·炎を。オレンジは実り、命を。黄色は金属を。緑は大地。青は空。藍色は海や水を。紫は天空――宇宙を表すと」
「へえ……そんな意味が。ですが、バトルでは使われてはないんですよね?」
「はい。一説には組み合わせ次第で様々な技を発動することが出来るそうですが……あまりに危険なため、後に禁じられてしまったそうです」
「技……」
あたしは考え込む。もしもその技を使えたら、ステルス帝国に勝てるんじゃないかって。