お猫様が救世主だった件につきまして
戦いに向けて
「う~ん……火、風……かあ。この組み合わせで試すとして、どうやれば技が出せるんだろ」
毎度お馴染みの王立図書館で調べ物をしてます。隣ではパティさんがお手伝いしてくれて感謝。
「とりあえず、実戦で試してはどうでしょう?」
「と言っても……やたら誰かにケンカを吹っ掛ける訳にもいかないし。困ったな」
もともとあたしは平和主義ですから、自分から争い事やトラブルを起こすなんて、とてもとても。
「あ~もう! 詰まった。完璧に詰まった」
むしゃくしゃしたから、頭を両手でがしがしと掻いた。パティさんは苦笑して「落ち着くお茶でもお運びしますね」と言い部屋から出てく。
あたしはコテンとテーブルに顔を乗せると、盛大なため息をつく。この後下町に行ってドムくん達にお勉強を教えるけど、その時誰かとバトルの練習でもしようかな?
一応、毎日もぐらたたきゲームの特訓はしてるけど。実戦となるとやっぱり違う。アレクと戦った時に緊張して、ミケに助けられるなんて不甲斐ない結果になったし。
「よし……バトルの相手を探そうっと」
そう決めて勢いよく顔を上げると、「あらあら」と女の子の声が聞こえる。振り向けば、何人かのドレスを着たブロンドの美少女さん達が集団でこちらを見てるけど。
どう楽観的に見ても、友好的とは言えない空気を醸し出してた。