お猫様が救世主だった件につきまして
「いや、よくやってくれた。そなたは救国の英雄だ!」
「はあ……どうも」
寝室のベッドで目覚めた時、傍らにはひげ面の見知らぬおじ様がいた。誰かに似てるな……とぼんやり眺めてると、ぽんぽんと肩を叩かれた。
「今晩は祝賀パーティーを開く。もしも体調がよくなればぜひとも出席しなさい。主役がいなければ盛り上がらぬからな」
「はあ……あの」
「ん? なんだね」
さっきから馴れ馴れしいけど、誰だろう? との疑問を素直にぶつけてみた。
「あの……どなたですか?」
ピシッとおじ様がフリーズした。つんつんとつつくとホントに硬い。
つついて遊んでると、ドアから聞き慣れた声が聞こえた。
「父上、こんなところで油を売るよりも、返された領土に関する政務に精を出してくださいよ。王太子の俺に全て押し付けないで」
「おお、アレクか。お嬢さんを祝賀パーティーにお誘いしていたところだ」
ギギッと動き出したおじ様が国王陛下……今度はあたしが固まったのも無理はないと思う。