お猫様が救世主だった件につきまして
たぶん、おじいちゃんは申し訳ないと思ってくれたんだ。
あたしをもぐらたたきゲームで鍛えながら、いつかアクスティアの戦いに巻き込まれてしまう運命を。
「……たしかに、あたしは最初は不本意ながら。なんで自分がって思ってました。ただもぐらたたきゲームが得意なだけで巻き込まれたんだ……って」
でも、とあたしはアレクとアンナさんを交互に見て笑う。
「たった3週間だけど……あたしはここへ……アクスティアに来てよかったと思います。
ここにも、あたしと変わらない生きた人たちがいて……とてもいとおしくて。
いろんな人たちの想いに触れた今、あたしの気持ちはきっとおじいちゃんと同じ。
“大好きな人がいる国を助けたい”……ただ、それだけです。
あたししかできないなら、最後までやり遂げさせてください。おじいちゃんの為にも」
あたしは、2人に向かって頭を下げた。
「きっと、最後の戦いになる。そんな予感がひしひしとします。勝っても負けても後悔はしません。いいえ……勝ちます! あたしはきちんと決着をつけたい。だから……」
「……帝国の出した条件は、おまえの身柄と。今まで割譲された領土の返還だ」
アレクが重い口を開くけど、あたしはニコッと笑ってみせた。
「あたしにそんなに価値あるなんて驚きだな」
「おまえ……怖くないのか? 帝国に負けたらあちらへ囚われて二度とニホンにも帰れないのだぞ!?」