妖しの姫と天才剣士
気がつくと布団の中に引きずり込まれてて。
後ろに顔を向けると総司が。
ふ、不機嫌だなぁ。
「何馬鹿なことしてんの。風邪引く」
「そ、それをあんたに言われたく無い!」
あんだけ頑なに入ろうとしなかった奴に!
「男と女じゃ違うでしょ。それにこれは強行手段。
こうすれば茅野ちゃんも寒くないし」
私にだって多少の恥じらいはあるんだよ!
もう一回抜け出そうかとも考える。
でも。
この温かさはやっぱり良いもので。
結局のところ、動く事すら出来ない。
総司がモゾモゾと動いているのが分かる。
「寝るの早っ」
寝息すら聞こえてくる。
私もうとうとして来た。
それから眠りに落ちるまでにかかる時間はそう長くなかった。