妖しの姫と天才剣士
覚醒
「土方さん。どうします」
「……どうやらあいつはお前とやる気しかねぇらしい。
決着つけて来いお前がな」
「了解です」
少しだけ固い声音のまま総司は前に進んでいった。
「で、何で僕のご指名?」
「だって、君が一番紅雪近くに居るから。
その君を倒して奪う方が紅雪の抵抗小さそうだし?
それに面白いじゃないか」
それって、総司を殺すこと前提じゃないか。
「うわ、面白いって……。僕はそう思わないけどね。だって君が死んじゃうだけでしょ?」
飄々と、どちらも気の抜けた感じの会話を繰り返す二人。
その様子を見ている私は今までに感じたことのない不安を感じてた。
……負ける筈ない。
だって、あの総司がだよ?
なのに何で
こんな不安な気持ちになるの。