妖しの姫と天才剣士



間近に迫った顔。



「んっ」



少し乾燥した総司の唇。それは、私のよりずっとあったかくて。


離された唇が少しだけ名残惜しくて、総司の顔を追ってしまった。


何してんだろ⁉︎ と動揺する私に総司はにっこりして。



「可愛い。茅野ちゃん」



にっこりと赤くなった顔で笑った。



「好き、大好きだよ、茅野ちゃん。言葉で言い表せないくらい」



ぎゅーと抵抗出来ないけど、痛くはない力で抱きしめられる。


そこからいっぱい総司の気持ちが伝わってくる様な気がして。



「私も。私も総司のこと好きだよ」



私の心をこんなに温かくて、ほっこりした気持ちにさせてくれるのは総司だけ。


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