妖しの姫と天才剣士
昔語り
訪問客
総司に告白? された日から一週間が経った。
あの日の事は忘れられない、色んな意味で。
血生臭かったけど、初めて感じる甘い感情もあった。
あの後ぐっすりと眠ってしまった私が目を覚ました時には総司居ないんだもん。
翌日顔を合わせた時に何食わない顔で交わした挨拶が少し寂しかったこと。
総司は絶対知らない。
あ〜あ。ぐるぐるしてるのって私だけ?
普通の恋人同士? が何をするのか知らない。
けど、私たちがそんな事出来る訳もないし。
あああっ。
自分で自分が嫌になる。
悶々と一人で唸っているようすは側から見たら何事って感じだろうな。
はぁっとため息を吐いたその時だった。
「はい? もう一度言ってもらえますか?」
訪問客? 珍しい。
私は自然と興味を惹かれて玄関にまで足を向けた。