妖しの姫と天才剣士
「だ〜か〜ら、我らはぬ……総司たちに用があるんだ。
案内してくれたって良いだろう?」
「ですから! 組長とどんなご関係なのですか! 身分を示してください!」
「……い、いや。それはだな…………」
総司の知り合い? そんな人居たんだ。
京都にそんな人が居るとは思いもしなかったよ。
江戸から出てきたって聞いてたから知り合いいないと勝手に思ってた。
ちょっと待ってよ。
その声どこかで聞いた事ある気がするんだけど。
総司より低くて、重厚感のある声。
どこで聞いたんだっけ……。
頭を押さえながら玄関へと出ると。
「あっ…………」
その謎がようやく解けた。
そりゃ聞いた事もある訳だ。
だって。
一週間前に聞いたばかりなんだから。