妖しの姫と天才剣士
「何故そんなに面倒臭そうに言う。主の問いに答えてやろうと思ったのに」
「……私の? あ、ああ」
姫と呼ばれる理由。だっけ。
そう言えば自分で聞いてた。
ま、すっかり忘れてたんだけど。
「土方さんの部屋に案内すれば良いですか」
「おっ、やっと主人に会えるのか〜?楽しみだな〜!」
やっぱり彼が風鬼な訳か。
「他にもあの場に居った奴を呼んでくれ。
そっちの方が話は早いし、我らも長く居れるからな」
「はぁ……。分かりましたよ、でも土方さんたちが居るとは限りませんからね」
多分、土方さんは居ると思うけど。外に出るって聞いてないし。
でも後の人たちは分からないよ? 山崎さんとか最近忙しそうだし。
屯所の中にいるかな。
「それは安心していいぞ。主たちはここに居る。
気配を感じるからな」
自信満々に言い放った雷狼さん。
どこからその自信は出てくるんだろう。