妖しの姫と天才剣士



「おおっ、沙雪〜。何だお客ずらずら連れて〜」

「土方さんのお客ですよ。今案内してるんです、左之助さん」



廊下で会った左之助さん。この人たちの身元バレてないかな?


土方さんたちも妖使えるし、他の幹部の人も使える気がする。


あの後ぐらいから妖に対する察知能力? 的なのが上がってるような……。


今なら分かる。左之助さんにも妖の匂いが纏っているのが。


他の隊士よりもより多く、密度も濃く。土方さんたちくらいには匂いが付いている。



「そんじゃあ土方さんによろしくなぁ〜。

あ〜あ。……俺らも混ぜてくりゃ良かったのに」



最後の言葉の意味が分かったような分からなかったような。


うん、でもバレだだろうな。



「はっ、やっぱりここに居る奴らは聡い。炎蛇《エワ》の使い主も」

「ふふっ、やっぱり似ておりますね。使い主には似るといいますから」



雷狼さんも狐さんも分かってるんだ。


エワと呼ばれたのが左之助さんの妖?


多少は新選組の事知れたと思ったけど、まだまだだったみたい。


この間もそうだし、それ以外にもたくさんあるだろう。


少しずつ、知れたらいいな。


そう思いながら土方さんの部屋の障子を開けようと声を掛けようとすると。


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