妖しの姫と天才剣士



ふっと、雷狼さんが私の前に出ると障子を開け放った。


いきなりの事過ぎて何も言えなかった私。


こんな事したら土方さん怒っちゃうよ!


何でこんな所まで総司に似たのかな。


色々土方さんも大変なんだから少しは優しくしてあげようよ!



「おい総司! またって…………誰だ?」

「すいませんッ! 土方さん」



入って早々謝る私。


ん?


……私、悪く……ない、よね。



部屋に入った私は四人の事を説明した。


信じて貰えるとは思ってないけど。


ほら、案の定あり得ないって顔してるし。



「で、お前が雷狼、水狐《スイカ》、風鬼、影梟……だって?」

「何だよ。俺のコト、忘れたって言いたいの?

あんだけこの間暴れさせたじゃん。楽しかったよ〜! 土方っ」

「…………風鬼だな。断言してやるよ」



肩を揺らす風鬼に土方さんは呆れた顔をしていた。


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