妖しの姫と天才剣士



ようやく理解してくれたみたい。


すっごい渋面だけどね。


土方さんは前を通った隊士の人に総司と斉藤さんと山崎さんを呼びに行かせた。



「で〜、何の用なの土方さん? あれ、さゆまで居るわけ?」



さゆって呼ばれて体がぎこちなく動く。


突然呼ばれ始めてもうそれで総司の方は落ち着いちゃってる。


私は全然慣れてないけどさっ。


当然の様に私の隣に座った総司。


そして、私を挟む様に雷狼さんまで座った。



後からやってきた斉藤さんと山崎さん。


この間は下ろしていた前髪を上げて、忍び装束じゃなくて町人の格好をしている。


色んな格好してるんだよね、山崎さん。


大体屯所で会う時は同じ格好だけど、京の町では違う。


旅芸人や行商人の格好をしてるかと思ったら浪士のような格好をしてることも。


観察方の仕事って結構大変なんだろうな。


表仕事より裏仕事の方が大変だと思うし。


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