妖しの姫と天才剣士
真実を
「ん…………」
ああ、部屋の中だ。……懐かしい、総司の部屋。
部屋の匂いで何となく分かる……。
気を失った後、総司にでも連れてきて貰ったのかな?
体が怠い。力が全然入ってくれなくて、自分の体じゃないみたい。
「今…………何時だろ」
どれだけ寝てたのか、私には検討もつかない。
外は薄暗いけど夕焼けなのか明け方なのか。
起き上がって誰かに聞けばいいのにそれも億劫で。
ごろっと横に寝転ぶと目を瞬かせた。
「そ、そっ……!」
髪を下ろして、横になってる総司。
まだ眠ってて、その綺麗な顔に前髪が掛かってる。
と、いうか! 何でここにいるの⁉︎ いや、でも、ここ総司の部屋か……。
どうしよう。
嫌いだの何だの散々喚き散らして眠った私。
会わせる顔がないんですけど。