妖しの姫と天才剣士
? 何を?
「全部が欲しい。さゆの全部が。
初めてを……頂戴? この先まで、全部を」
熱を帯びた声でそう耳元で囁かれる。
「っ」
やばい。総司の熱や、自分の熱に浮かされておかしくなりそう。
……言ってる意味が分からない訳じゃない。
今まで触れてもらえなかった反動がきてるのかも。
もっと触れて欲しい、離れないでいて欲しいって思ってしまう。
相当重症だなぁ〜。
「いいよ……っ。総司になら、全部をあげる」
総司になら壊されてもいいって、そう思った。
総司の瞳に吸い込まれるように自然と唇が重なる。
首に巻きつけた腕。
熱を帯び出す吐息が恥ずかしい筈なのに全てを曝け出したくなる。
着物と火照った素肌の間に差し入れられた手に体が跳ねた瞬間。