妖しの姫と天才剣士
嘲笑《真響side》
『ロス……』
腹部を貫かれて意識を失っていた姫様が目を覚ました。
その目は今までとは違い怪しげに煌めく金色に変化していて。
「ふっ」
やっと。これでようやく手に入る。
『この記憶』を持った時から願っていた姫の、ミコトの力を俺の手もとに!
『殺ス!』
「っ!」
は、速いっ。
一気に距離を詰められた。俺の妖の力を解放した本気の力でも!
これがミコトの力か。神の依代であり、最初の妖であるミコトの。
「面白い」
それでこそ、我らの欲しい力だ。
『我に身を委ねよ。そうすれば、更なる境地へと至れるであろう』
ああ、分かっている。
だから。
俺に力を貸せ、『マユラ』。