妖しの姫と天才剣士
紅に染められて
「うぅ……」
また、逃した。これで二度目……!
窓から飛び出していった真響を追いかけようとしてーーーー
膝から崩れ落ちた。
なんで、なんで!?
その理由を知って軽く息が漏れる。
まだ血が止まっていない……?
まだ塞がってない。それどころかだらだらと血を垂れ流し続けている。
だからか。だからこんなにも体が動かない。
今までに感じたことのない虚脱感に頭が混乱する。
それでも、動かずには居られなかった。
「総司!」
這いずるように総司に近づく。
「総司、総司っ!」
揺すっても反応がない。
「ねぇ、ねぇ、ねぇってば!」
頬を叩くと眉を歪めた総司。
良かった。まだ、生きてる。
へなへなぁ〜と腕から力が抜ける。