妖しの姫と天才剣士



ガラガラッ。



「入るぞ」

「!!!!????」



ひ、土方さん!?



さも当然かのように入ってきた土方さん。ちょ、順番間違ってません!?


普通開ける前に声をかけるもんじゃないんですか!?


と、訴えたくても訴えきれない私のことはよそに土方さんは布団のそばに座った。


今さっきのところを見られたかと思うと恥ずかしくて顔を上げれない。


……なんだか、前にもこんなことがあったような……。


気のせいかな?


…………気のせいということにしておこう。怖い。


顔は下げたまま視線だけを総司に向けると総司はもう平気そうな顔----


ん?



総司、若干だけど耳が赤い?


総司も少しくらいは恥ずかしかったりして。


それがわかっただけで少し恥ずかしさが紛れた気がする。


恥ずかしいのは私だけじゃないんだって。


ほんの少しだけだけど。


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