妖しの姫と天才剣士
よくよく考えれば私は二度彼に会ったことがある。
沖田さんと一緒に。
バレて……ない、だろう……か。
「意外と美人さんやな! あいつの親戚とは思えん!
よろしく、小雪!」
「は、はいっ! よろしくお願い致します!」
この間あった事があるから冷や汗を流した。
けどよかった。バレてはないみたい。
しかし、山崎さん流石だなぁ。
こんな私を化けさせるなんて。
見事な手腕です。
「それじゃあ、小雪さんの寝泊まりする部屋に案内しようかしら」
「お願いします」
私が案内されたのは普通に立派な部屋。
今まで寝泊まりしてた部屋とは随分と違った。
まぁ、寝泊まりしていたのが物置小屋なのだから仕方ない。
片付けても殆ど物で埋め尽くされているのだから。
それにしても。
ここの奥さん、親切だなぁ……。