妖しの姫と天才剣士
「ガハハハッ! もっと、飲め飲め!」
酔っ払った芹沢さんは更に新見さんたちにお酒を勧めた。
それを緩みきった顔で受け取る新見さんたち。
おかしい。
尻尾が生えている事を誰も不審がってない。
「ど……いう、こと?」
新見の耳からも弾みでピョコンと茶色い丸い耳が飛び出ている。
本能的に、この場に留まるのは危険だと思った。
この状況は普通じゃない。
ここに留まり続ければ悪い事が起きるような逃してならなかった。
心臓が早鳴って、額から冷や汗が伝い落ちる。
だから、物音を立てないようにして私は自分の部屋に戻った。