妖しの姫と天才剣士




「これは……伝えるべきなの……か?」



耳が生えるなんてあり得ない。


でも、仮にも二人は新選組の局長だ。


今まで以上の汚点となる事は間違えないだろう。


いくら近藤さんたちが必死に、命を賭してまで働いても。


この二人の汚点が流れ出るだけで簡単に築いてきたものは崩れされる。


全くといっていい程仕事はしてないけども。


そんなの町の人には変わらない。




新選組は新選組。


新選組の誰かが悪い評価を受ければそれが全体の評価に変わってしまうのはもう既に分かっている。



「どうするべき……?」



私には分からない。


伝えないと危険な事になると分かって居るけれど。


その先が怖くて、怖くて仕方ないのだ。


何が起こるか、予測のできない未来が。


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