妖しの姫と天才剣士
警戒《土方side》
総司の言葉で、部屋の中は静まった。
必要な情報だった。だが、何故だ?
芹沢たちが屯所に来た事なんて……最近じゃ殆どねぇぞ?
「少し、私は失礼するとしましょう。私まで居たら本格的に疑われ始めます。
特に新見さんは聡いでしょうからね」
「すまないな。学者」
「いえいえ、構いませんよ。隊則を考えてしまったら、持って来ます」
そう言って山南さんは部屋を立ち去っていった。
今、話し合っているのは新選組と言う組織を成立させるための隊則。
……と、いうのは表向きで実際には芹沢、新見を処罰する為の理由付けだ。
名ばかりとは言え、局長ともあろう者を理由も無しに処罰なんて出来ねぇからな。
面倒くせぇ。さっさと斬れれば楽なのに。