妖しの姫と天才剣士
「しかし、会津公からの命令はどうする? トシ」
「暗殺……か……」
「おいっ! 会津公はそんな事まで仰ってないぞ!」
「でも、結局のところそう言う事だろう? 近藤さん」
書簡には暗にそう書かれていた。
『新選組』という名を拝借する前に一騒動起こしてるからな。
あの時は大層ご立腹だった。
それに、ここ最近の芹沢たちの所業も耳に入ってしまったのかもしれない。
だったら余計に芹沢たちをそのままには出来なかった。
山崎からは聞きたくもなかった情報が入っちまったしな。
「失礼しますよー」
総司と茅野、二人が入ってくる。
水戸一派を蹴落とす作戦はもう、始まる。
それは双方に言える事だろう。
勝負はどっちが先に動き出すか、だ。
負けるわけにはいかねぇな。