妖しの姫と天才剣士
決行
その日、私はそれ以上何事もなく終わった。
でも屯所の方では結構動きがあったらしい。
新見錦 切腹。
その場に土方さんが居たと言うのは聞いた。
つまりは動き出した。そう思って良いはずだ。
「小雪はん…………」
「どうしました? お梅さん」
少し困ったような、焦っているような表情を見せたお梅さん。
この人のところにまで話は行ってるのかな?
「芹沢はんの姿が……」
「え、芹沢さん、居ないんですか⁉︎」
まさか、土方さんの企みに気がついて逃げ出した⁉︎
焦った私。
でもそんな事杞憂だったようで、すぐにその姿は見つかった。
どうやら散歩に出てただけらしく、抱きついたお梅さんを優しく抱き締めていた。
相変わらず変わらない二人だな。
ラブラブっぷりはついていけないよ。