妖しの姫と天才剣士
「え?」
「どうやったら、そんなに平気でいられるのッ!」
平気な顔をしている総司。
いつもと違うのは濡れて毛先から水が滴り落ちている事くらい。
分かんない。
親しい人を失うなんてこんなに悲しい事だったの?
その動揺を隠すために吐き捨てた総司への言葉。
そんな言葉総司にぶつけたって何も変わらない。
ただ彼を傷つけるだけだって知ってるのに。
私の中に燻り始め、生まれた感情はあまりにも歪で。
誰かにそれを押し付けないとやっていけない気がした。
ここで息をすることさえ辛く、苦しくなりそうで全てを総司に吐き出す。
行く当てのない罪悪感、何も出来ない不器用な私が。
嫌い、嫌い、大ッ嫌い。
「大っ嫌いなのッ!」