交わらない赤い糸
ー美央sideー




カランカラン♪



永瀬君に言われて、仕事の後に来た喫茶店。



奥でハンバーガーを食べ終わった永瀬君がおった。



「…おった」


「あ、美央︎さんやっと来た!」



うわぁー。



いかにも何か企んでそう。



ストンッ…



「紫耀の事聞きたかったから来たんやろ?」


「……」



カタッ



ミルクの入ったコップを私に見せた。



「前の紫耀は、TV通りの誰もが好きになる性格やった」



そのミルクに、ゆっくりと…



ゆっくりと永瀬君はコーヒーを混ぜた。



「2年前の夏に、紫耀は誰よりも好きやった女に浮気されたんや」


「…え…?」



浮気…



「紫耀がJr.なことだけが目的で付き合ってたんやて」



…そうやったんや…。



平野が…。



「まぁ、その女の目の前で自分と二股かけてたって言うたから」


「…君ら恐ろしすぎやわー」



2年前ってまだ永瀬君中学生やし。


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