交わらない赤い糸
カランカラン♪



いつも通り仕事をしてる時やった。



「いらっしゃいまっ…」



店内を物色しながら、私をジッと見る大学生ぐらいの男の人。



背が高く、顔はよう見えんかった。



「…?」


「美央︎ー。こっち運んでくれん?」


「あ、はーい…」


「…な、なぁ夏目くん…?」


「んー?何?」



商品の整理をしながら夏目くんに話した。



「あの人、ずっとこっち見てへん…?」



男の人の方を小さく指差した。



「…ほんまやな」



夏目くんは眉間にシワを寄せて男の人を睨んだ。



「俺注意してくるわー」


「だ、ダメっ!刺激したらあかんて…」



夏目くんの腕を引き、私たちは普通の仕事に 戻った。



「……」



その後、19時を過ぎたぐらいで、男の人は気付いたらおらんようなってた。



「…こわっ」


「まぁ…危害加えられたわけちゃうから」


「…うん…」

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