交わらない赤い糸
ザワザワ…



現在30分待ち。



「長いなぁー…」


「ほんま、それなー。でも楽しみやなっ♪」



初めてのディズニーにテンションの高い夏目くん。



夏目、子供みたい…笑



ぐぎゅるるるっ…



「あ、ごめん、笑」



「ははっ。私、何か買ってくるね、笑」



タッタッ…



かわええバケットに入ったポップコーンを買い、夏目くんのところへ戻ろうとした。



「列進んでるかな…?」



その時、



キャーキャーッッー…



え?な、何この人混み…。



戻る道には女子高生や女の子たちがキャーキャー騒いでた。



…ちゃう道から行こう…。



タッタッ…



何であんな騒いでたんやろ…?



パレードってまだまだ先やんな?



「……?」



戻る時、ふとベンチで腕を擦りむいた男の子を見つけた。



「ったーぃっ…」


「…ねぇ、君大丈夫?」


「…誰?」



目がクリクリの中学生ぐらい男の子。



「これ、よかったら…」



バッグの中から絆創膏を取り出し、渡した。



「…ありがとう。お姉さん」



腕まくりをして見えた、肘のすり傷。



走ってこけたのかな…?



「はいっ。君、一人なの?」


「…はぐれたけど、今から来るの」


親とか?



「…もしかしてお姉さん…」


「ん?」


「流星!」



…え…?



後ろから聞き覚えのある声がした。



クルッと振り返ると、目を見開いてこちらに向かってくる永瀬君がおった。



「え…?は?え、ちょっ何で流星とおるん?」


「流星…あっ」



永瀬君たちと番組やってる子…?



「やっぱり…」



ほなー…



「平野もおるん…?」


「…今飲みもん買いに行ってるで?」


「…そっか…」



胸がドキドキした。



また、会える可能性があったなんて。



「紫耀、女の子と一緒やで?」



流星君のその一言に私は硬直した。



「…ほな、行くわ」


「お姉さん、紫耀に会わんの?」


「…会ったら、あかんのや」



会ったら、また迷惑かけるから…



会わん方が平野の為。



「…ほんまにそれでええん?」


「…うん、それでええねん。ほな、待たせてるから行くわ」



タッタッ…



「…廉、紫耀と一緒やね」


「…素直ちゃうなぁ、二人共」


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