王子様はハチミツ色の嘘をつく
プロローグ
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小学校、一年生の頃だったかな。
私は誕生日パーティーに招かれて、友達の家を訪れていた。
そこで、今までおとぎ話でしか見たことのなかった、王子様に出会ったんだ。
優しくて、カッコよくて、瞳がきらきらしていて。
それから、理由は忘れてしまったけれど、どうしてか泣いていた私に、甘いお菓子をくれた。
食べ物につられるなんて我ながら現金だと思うけれど、私はそれで泣きやんだ。
そして、王子様を好きになった。
もっとも、その日以来彼に会うことはなかったから……
幼き日の記憶は、徐々にぼやけて、心の隅に追いやられて。
あれは、夢だったのかもしれない。
歳を重ねるにつれ、そんな風に思うようになっていた。
それが、私の初恋の話――――。
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